特集 痛みで困ったとき
対応に苦慮する痛みの診断と治療
非定型顔面痛・顎関節痛
豊福 明
1,2
1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科
2全人的医療開発学系専攻包括診療歯科学講座 歯科心身医学分野
pp.984-985
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102359
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非定型顔面痛は,顔面における神経線維の走行や存在とは一致しない,不規則で慢性持続性の疼痛症である.本態不明で器質的な原因も見当たらず,往々にして治療抵抗性である.通常は持続性,自発性の鈍い痛み(鈍痛)として表現される.痛む部位はしばしば移動性で,顔面全体にまで拡大することもある.何カ月も何年も持続し,ときに急激に痛みが増悪する.痛みによる睡眠障害はないが,起床後より再び痛みを感じるようになる.
一般的に顎関節痛を呈することが多いのは顎関節症である.顎関節症は,関節痛のほかに開口障害,関節雑音の3主徴を有する症候群と定義されている.
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