特集 自信がもてる頭痛診療
さまざまな二次性頭痛を診る
三叉神経痛と顔面痛—多様な顔面痛をいかに鑑別するか
髙橋 牧郎
1
1大阪赤十字病院神経内科
pp.1348-1352
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223619
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ポイント
●頭頸部痛,顔面痛は三叉神経,中間神経,舌咽・迷走神経,後頭神経により伝達される.それぞれの解剖学的走行と支配領域を熟知することが診断に不可欠である(図1)1).
●典型的三叉神経痛と有痛性三叉神経痛の違いを理解する.前者は発作性で不応期があり,血管の圧迫などによることが多く,後者は持続性で帯状疱疹,外傷,多発性硬化症に加え腫瘍などの占拠性病変に関連して発症することが多い.
●舌咽神経痛の罹患率は三叉神経痛の1/100程度で,比較的高齢者に多い.口蓋扁桃などをトリガーポイントとし,嚥下時などに誘発される発作性,反復性,片側性の電撃痛であり,徐脈,失神発作,心停止など迷走神経刺激症状が出現することがある.
●舌咽神経痛の原因は血管による神経の圧迫,腫瘍による圧迫,茎状突起過長症(Eagle症候群)など何らかの圧迫によることが多い.
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