特集 Systems-based Practice
【スペシャル・アーティクル】
チームダイナミクス
瀬尾 宏美
1
1高知大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
チームダイナミクス
,
リーダーシップ
,
コミュニケーション
,
フィードバック
Keyword:
チームダイナミクス
,
リーダーシップ
,
コミュニケーション
,
フィードバック
pp.216-218
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102129
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
院内蘇生チーム
新人看護師Aは看護師Bと夜勤をしていた.ナースコールで駆けつけると,手術予定の患者が呼吸苦を訴えていた.血圧測定中に患者は応答しなくなり呼吸も停止した.慌てて看護師Bを呼び,救急カートと除細動器を要請し,胸骨圧迫とバッグマスク換気で心肺蘇生を開始した.当直の外科部長が駆けつけ,気管挿管を試みたが失敗した.隣接病棟の看護師Cが応援に来たが,現場は混沌としており,院内緊急コールを要請した.これに反応して研修医と麻酔医が駆けつけた.研修医は胸骨圧迫を交替し,看護師Aは麻酔医に経過を報告した.
麻酔医:いまから私が蘇生チームのリーダーを務めます(*1).
麻酔医は,胸骨圧迫と換気は研修医と看護師Bが交替しながら行うように指示した.すでに中心静脈ラインが留置されていたが,外科部長に末梢ライン確保を指示した(*2).看護師Cに心電図モニター装着を,看護師Aに経過記録を指示した.さらに看護師が数名到着し家族への連絡などが指示された.心電図モニターでは洞性徐脈で脈拍を触知しない状態(PEA:無脈性電気活動)であった.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.