シネマ解題 映画は楽しい考える糧[38]
「アマロ神父の罪」
浅井 篤
1
1熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.627
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101980
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聖職者が犯したタブー
本作品をみて,ウィリアム・フリードキン監督の歴史的傑作「エクソシスト」(1973年米国映画)を思い出しました.悪魔が少女に憑依し二人の神父が命を賭して悪魔払いを行うという,今やクラシックのオカルト映画です.特殊効果技術を駆使して悪魔と人間との戦いを非常にリアルに描き,本国アメリカではショックのあまり失神者が続出したとのことでした.たしかに視覚的音響的にショッキングでグロテスクなシーンが満載され,生理的にはとても怖いのですが,私は悪魔を信じているわけではないので心理的精神的に打撃を受けることはありませんでした.本当に神を信じ,その結果悪魔の存在を受け入れる人びとにとっては,「エクソシスト」は衝撃以外の何物でもなかったのでしょう.
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