連載 ケアフルな一冊4『フロスト日和』
自分も等しく罪を犯すもの
坂田 三允
1
1長野県看護大学
pp.94
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900094
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「このミステリーがすこい!98年版」第1位に輝くこの書は,ウィングフィールドによるフロスト警部シリーズの第2弾である。
舞台は,ロンドンから120キロほど離れた架空の地方都市デントン。ニュータウン化の途上の冴えない街である。フロスト警部が勤務する警察署は,連続婦女暴行魔の犯行に頭を悩ませている。だが,それだけにかかわっているわけにもいかない。古くて汚い公衆便所に小便にまみれた浮浪者の死体がころがり,老人がひき逃げされ,高齢者用の住宅の住人から,どこぞのたわけ者がスポーツカーで騒音を撒き散らしていると連絡が入り,押し込み強盗事件が発生し,未成年の少女が失踪……われらがフロスト警部は眠る暇もない。
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