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視座
専門医制度の罪
Foreword
菅本 一臣
1
Kazuomi Sugamoto
1
1大阪大学大学院医学系研究科運動器バイオマテリアル学
pp.637
発行日 2008年7月25日
Published Date 2008/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101314
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自分のことは棚にあげて何を!といわれそうだが,最近,整形外科領域の臨床研究で斬新なものに滅多にお目にかからなくなった.難関の医学部を卒業したエリートばかりなのになぜだろうと考えていて,一つの結論に至った.
世の中では専門医が年々重要視されてきている.Subspecialtyという概念も出てきて,さらに細分化されていきそうである.しかも一度それらを取得しようものなら継続のための単位取得が半端ではない.日本整形外科学会は単位取得のためだけのものとなりつつある.さらにそこで披露されるEBMに基づいた治療法などを繰り返し聞くことで,受講者はあたかも洗脳された信者のごときありさまとなる.近年EBMという言葉で治療方法に優劣をつけようという試みがある.この目的自体は非常に有意義なことであるが,客観的評価として耐えうるEBM作成が現実的にはほとんど不可能であることは,ガイドラインを作成されている先生方は痛感されていることだろう.
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