特集 ヘルシー・シティ,ヘルシー・コミュニティ
One more JIM
pp.370-371
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101917
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Q1 医師にとって,なぜ患者の生活環境にまで注意を払わなければならないのか教えてください.
A1 疾病の治療を行い保健指導をすることが医師の役割であって,患者の生活環境,ましてや地域全体の事柄は,大きすぎて医師の守備範囲を超えている,と考える方もいるのではないかと思います.しかし,医師,とくにプライマリ・ケア医は,地域の福祉や介護,母子保健,学校保健,環境保健に関わっており,地域の人びとに信頼されているのではないでしょうか.
最近は,まちづくりに関して,行政がトップダウンで施策を行うのではなく,広く地域住民の意見を反映させる方法がとられています.その過程で,医師個人としてももちろん,たとえば地域の医師会,高齢者介護や障害者支援の地域組織の代表として,単に当該組織の利益を代表するというだけではなく,地域の他の団体や行政,そして市民と連携して,健康を支援する生活環境を提案することが求められています.プライマリ・ケア医には,一人ひとりの患者の疾病の診断や治療だけでなく,患者や地域住民の生活環境にも幅広い見識を持ち,地域の公衆衛生の向上に寄与し,住民の健康な生活を確保する役割が期待されています.(髙野健人→p334)
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