レジデントCase Conference
右不全麻痺で受診し,文字が読めなかった54歳男性
新垣 桂
1
,
仲里 信彦
1
,
塚田 裕子
1
,
武本 淳吉
1
,
篠原 直哉
1
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 総合内科
pp.312-315
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101903
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
患者:54歳,男性.
主訴:右半身が動かしにくい.
現病歴:来院の2日前より軽度の頭痛以外,普段と変わりなかった.来院の前日18時頃から親戚の家で焼酎を1.5合ほど飲んでいたが,19時頃から気分不良が出現した.とくに頭痛の増悪や悪心嘔吐もみられなかった.しかし,立ち上がりが困難で,歩行するとよろめき,右足が動かしにくい感じに気がついた.21時頃には症状は自然に改善した.来院日の朝7時の起床時に,再び右足が動かしにくい感じが出現した.また,仕事の確認をしようと手帳を見ても記載内容が理解できなかった.さらにメモ書きの際にも,うまくペンが使えない症状に妻が気づいた.近医受診し,同日の14時頃に当院へ紹介受診となった.
既往歴:高血圧(1年前に指摘されるも放置),常用薬なし.
職業:清掃業.
生活歴:喫煙 60本/日×30年,飲酒 泡盛3合/日×10年.
来院時身体所見:血圧150/86mmHg,心拍数70/分,呼吸数20/分,体温37.2℃,SpO2 99%(室内気).
全身状態は落ち着いている.結膜は貧血や黄染なし,頸部に血管雑音なし・頸部硬直なし,肺音は清・左右差なし,心音は整・心雑音聴取せず・S2音の亢進あり,腹部に明らかな異常所見なし,四肢動脈拍動は可能で減弱なし,下腿浮腫なし.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.