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Case
患者:45歳,男性.主訴:1週間前からの発熱・頭痛,前日から様子がおかしい.
現病歴:来院7日前より頭痛と38℃台の発熱が出現.悪心・嘔吐はなく,そのまま仕事を続けていた.来院4日前,症状が持続するため近医受診,ウイルス感染症といわれ輸液され帰宅した.その帰り道,乗用車を運転中に追突事故を起こしたが,はっきり覚えていない.来院当日の朝,症状が改善しないため,本人と妻とで近医受診,抗菌薬が投与された.頭痛と眼の焦点が合わない訴えもあったことから,眼科と脳外科を紹介受診するも,明らかな異常なしとの診断であった.夕方から吃逆が増え,排尿しようとしても尿が出ない感じがあり,同じことを何度も聞いて話がかみ合わない感じがあるため,妻が救急車要請し当院救急受診となった.痙攣や悪心・嘔吐を認めない.悪寒戦慄なし.呼吸器および消化器症状なし.川遊びなどなし.
既往歴:特記すべき既往なし.
生活歴:喫煙 40本/日×20年,飲酒 なし,職業 野菜の卸売業.常用薬:なし.
来院時身体所見:血圧 170/100mmHg,脈拍 66回/分,呼吸数 16回/分,体温 39.2℃,SpO2 98%(室内気).眼瞼結膜黄染なし,貧血様なし,咽頭発赤なし,頸部リンパ節腫脹なし,項部硬直著明.心音は整・雑音なし,呼吸音は清・左右差なし.下腹部は軽度膨隆しており,腸蠕動音は正常.上半身・上肢に微細な振戦あり,上肢挙上で振戦が増強する.皮疹なし.
神経学的所見:日・場所はどうにか答えるが,診察者を医師と認識しない.日中どこに行っていたか思い出せない.GCS E4V4M6,瞳孔3mm左右差なし・対光反射良好.両眼ともに軽度外転障害あり,顔面神経麻痺なし,聴力低下なし,舌偏位なし.筋トーヌス 上下肢正常.MMT両側上下左右差なし,感覚障害なし.指鼻指試験正常,企図振戦あり.
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