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Case
患者:36歳,女性.
主訴:悪寒戦慄を伴った発熱.
既往歴:①腎盂腎炎,②PID(クラミジア感染);28歳,③左足関節骨折;30歳.
生活歴:アルコール;缶ビール750~1,000ml/日,たばこ;20本/日.
職業:保育士.
現病歴:来院2日前より,右鼠径部の腫大と圧痛に気付いた.翌日の夜間に39℃台の発熱がみられた.近医を受診し,補液を施行後に解熱薬を処方されて帰宅した.しかし,翌日の未明に悪寒戦慄を伴った高熱が出現.解熱薬で様子をみていたが,発熱は持続し,右鼠径部の疼痛も増強し,同部の腫大も増強したようにみえたため当院救急室受診となった.
ROS:残尿感なし,頻尿あり,排尿時痛は月経の時に認めることあり.
月経歴:最終月経は来院当日,帯下の異常なし.
来院時身体所見:全身状態は苦痛様,血圧144/86mmHg,脈拍108/分,呼吸数24/分,体温40.5℃,SpO2 98%(室内気).頭頸部;眼球・眼瞼結膜に貧血・黄染を認めず,咽頭発赤なし,項部硬直なし,頸部リンパ節触知せず,呼吸音には左右差なし・清,心音は整・雑音なし,腹部は平坦・軟.鼠径リンパ節の水平群に3cm大,垂直群に4cm大のリンパ節触知し,これらは可動性にやや乏しく・圧痛著明.下肢に創傷なし,皮疹なし.
来院時血液検査所見:血算;WBC 9,700/μl,Hb 12.9g/dl,Hct 35.8%,Plt 26.2×104/μl.生化学;Na 135mEq/l,K 3.5mEq/l,Cl 102mEq/l,BUN 7mg/dl,Cr 0.5mg/dl,Glc 114mg/dl,T-Bil 0.4mg/l,AST 52IU/l,ALT 38IU/l,γ-GTP 144IU/l,ALP 269IU/l,LDH 200IU/l,CRP 8.1mg/dl.一般尿検査;混濁なし,pH 7.5,尿糖(-),尿蛋白(-),尿潜血(-).尿沈渣;WBC<1/hpf.
胸部単純X線:明らかな異常なし.
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