特集 診療を変える新しい薬2010
One more JIM
pp.289-291
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101898
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Q1 12週間のチャンピックスⓇ服用が終わったあとは,薬をやめてしまっても禁煙は無理なく続けられるものなのか?
A1 ニコチン依存症には,脳内報酬回路にニコチンが作用して形成される身体的依存と,長年身体に染み付いてしまったタバコとの生活,すなわちタバコがないと口が寂しい,手持ち無沙汰で困る,などの習慣性依存があると言われている.身体的依存は,3日目に禁断症状のピークをむかえ,1週間で収まってきて,2週間でほぼ抜けると考えられる.一方,習慣性依存は,心理学的な諸調査から,2カ月から2カ月半ぐらいの期間が抜け出すためには必要と考えられている.したがって12週間(3カ月)禁煙を続けられた人は,完全に両方のニコチン依存状態から抜け出せたものと考えられ,以後,禁煙補助薬などのサポートがなくても,タバコなしの生活が可能と考えられる.もちろん,機会があるたびに,禁煙を継続していることについて,励ましの言葉をかけることが重要であるのはいうまでもない.
(尾崎治夫→p235)
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