特集 高齢者の誤嚥
【各論】
繰り返す誤嚥性肺炎―診断と治療
冨島 裕
1
,
蝶名林 直彦
1
1聖路加国際病院 呼吸器内科
キーワード:
誤嚥性肺炎
Keyword:
誤嚥性肺炎
pp.124-127
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101852
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感染性肺炎の主な感染経路としては,口腔内や咽喉頭に定着した病原性細菌が唾液や分泌物とともに下気道に落下するもの,敗血症などの血流を介するもの,ウイルス,マイコプラズマ,抗酸菌などの病原体を下気道に吸入するもの,および隣接臓器から直接侵入する4つの経路が挙げられる.
一方,誤嚥とは口腔咽頭の分泌物や胃内容物が下気道に入ることを指す.肺炎球菌などによる代表的な細菌性肺炎は,咽頭に定着した菌が下気道に落下し発症するため,そもそも細菌性肺炎は誤嚥による肺炎であると考えられる.実際に健康な成人でも約半数に睡眠中の誤嚥が認められ,誤嚥した菌量が多い時や宿主の免疫力が低下している際に肺炎が発症すると推測される.
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