特集 高齢者の誤嚥
【ミニレクチャー】
嚥下障害患者への投薬法の工夫
高橋 浩二
1
1昭和大学歯学部口腔リハビリテーション科
pp.128
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101853
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経口摂取が可能な嚥下障害患者への対応
嚥下障害はさまざまな原因により生じ,障害の程度や部位は個々の患者で異なるが,一般に口腔期の障害を有する場合は,錠剤や散剤よりも液剤のほうが飲みやすい.とくに舌運動障害がある場合は,散剤を服用すると薬剤が口腔内でばらついたり,服薬のために口中に含んだ水のコントロールが困難なため,半溶解した散剤が口腔内に残り,適用量を摂取できなかったり,苦味などに悩まされることが少なくない.
一方,咽頭期の障害がある場合では液剤は誤嚥される可能性があるため避けるほうがよい.液体にトロミをつける嚥下補助食品やゼリー状の嚥下補助食品などが多数市販されており,咽頭期障害を認める患者ではトロミのついた液体あるいはゼリー状食品を用いて散剤を混ぜて服用するか,適度な大きさの錠剤を服用するのが推奨される.
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