特集 高齢者の誤嚥
【各論】
誤嚥の予防―薬物療法
長谷川 浩
1
1杏林大学医学部高齢医学
キーワード:
ドパミン
,
サブスタンスP
,
ACE阻害薬
,
アマンタジン
,
シロスタゾール
Keyword:
ドパミン
,
サブスタンスP
,
ACE阻害薬
,
アマンタジン
,
シロスタゾール
pp.121-123
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101851
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
食事摂取方法の訓練と投薬の調整で誤嚥性肺炎を起こさなくなったワーレンベルグ症候群の1例
患者:76歳,男性.
既往歴:50歳より高血圧.74歳時,激しい回転性めまい,嘔吐・嚥下傷害・障害側への転倒,障害側の顔面と反対の手足の温痛障害(解離性知覚障害)を発症,後下小脳動脈閉塞によるワーレンベルグ症候群と診断された.その後 嚥下リハビリテーションにて麻痺側に首を傾け麻痺側の食道を圧迫しながら食事を行う訓練を受けていた.これにもかかわらず誤嚥性肺炎を繰り返していた.降圧薬としてCa拮抗薬,脳梗塞の再発予防薬としてアスピリンが投与されていた.このため降圧薬をACE阻害薬,脳梗塞の再発予防薬をシロスタゾールに変更したところ,その後約1年にわたり誤嚥性肺炎を発症しなくなった.嚥下リハビリテーションと薬物療法の相乗効果の良い1例と考えられた.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.