Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 誤嚥性肺炎の治療目標は?
感染の制御と治療,気道確保と呼吸支援,全身状態の改善,合併症予防が主な焦点となる.日本呼吸器学会のNHCAP診療ガイドラインを参考にし,抗菌薬の選択や治療期間の設定が行われる.治療期間は通常20日までで,栄養サポートやリハビリテーション,口腔ケア,合併症の管理,早期の退院調整も重要とされる.入院期間はその状況によって変化するがおおむね16〜20日が目標となる.
Q2 誤嚥性肺炎を発症した高齢者に対する治療目標は?
死亡率の低減だけでなく,ADLの低下や生活の変化を最小限に抑えることが重要である.早期の嚥下機能評価と直接訓練,身体的なリハビリテーションが必要であり,入院中から退院後の生活状況を見据えた計画が必要である.退院後は,経口摂取の再評価や,リハビリテーションの継続等,適切なサポートを組む.家族の現状の理解も重要であり,現実的な視点で入院から退院までを見据える必要がある.
Q3 誤嚥性肺炎を発症する高齢者が多く,今後増加することが予想されるわが国における治療体制作りの目標は?
誤嚥性肺炎による高齢者の生活機能の低減を最小限に抑え,再び地域で生活できること,在宅生活の維持を支援することにある.急性期病院における早期のリハビリテーションやケアを充実させ,地域との連携を強化するために,2024年には誤嚥性肺炎や尿路感染症に対する高齢者の入院を想定した新たな病棟基準が設けられている.
Q4 環境,患者の状態に応じた誤嚥性肺炎の治療目標は?
誤嚥性肺炎の治療目標は,環境や患者の状態に応じて変化する.終末期に近づいているような状況では,かかりつけ医と患者・家族が治療方針を検討し,積極的治療の差し控えや尊厳を尊重した医療を目指すことが重要である.また,他の疾患治療中であっても誤嚥性肺炎が発症した場合には,治療中の疾患の専門医が,包括的な診療や家族への説明を行い,経口摂取や誤嚥予防策,生活再構築に関する具体的な治療目標を示すことが期待される.
Copyright© 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.