- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
患者:34歳,女性.
主訴:発熱,皮疹.
現病歴:来院の6日前より,39℃台の発熱と咽頭痛および頸部のリンパ節腫脹が出現した.軽度の悪寒もあった.その翌日より,大腿の前面から体幹へと,癒合性のある紅色丘疹が出現してきた.その後も38℃後半から39℃台の発熱と悪寒が持続した.解熱薬で経過をみていたが,解熱しないため,来院前日に近医を受診.ウイルス感染症が疑われ,とくに成人発症の麻疹の疑いもあったため,今後の全身状態悪化の可能性も否定できず当院に紹介受診となった.患者の周囲には,同様の症状の人はいなかった.麻疹の既往ははっきりしなかった(母親と連絡つかず).最近の海外渡航歴なし.ペットは飼っていない.
既往歴:てんかん;30歳で発症.
内服歴:フェノバルビタール 120mg/日.
生活歴:喫煙;20本/日×30年,飲酒;機会飲酒,職業;調理.
来院時身体所見:全身状態は発熱にて疲弊している.血圧 110/60mmHg,脈拍 92回/分,呼吸数 20回/分,SpO2 99%(室内気),体温 38.4℃.頭部は外表正常で発疹なし,眼球結膜は充血しており眼瞼の皮膚面は浮腫状,口腔粘膜/舌/咽頭に白苔あり,口唇浮腫あり(図1),顔面にも淡い辺縁不整の丘疹が出現し癒合している.心音は整・雑音なし,呼吸音は清・左右差なし,腹部は平坦・軟で腸蠕動音正常,体幹および四肢に癒合傾向のある紅色丘疹あり(図2),前頸骨部浮腫軽度あり,リンパ節;両側顎下リンパ節の腫脹あり,両鼠径部リンパ節腫脹あり,後頸部リンパ節や後耳介リンパ節は触知せず.
血液検査所見:血算;WBC 4,500/μl(Neut 90.0%,Lymp 4.0%,Aty-Lymp 0.5%,Mo 1.0%,Eo 3.5%),Hb 11.7g/dl,Hct 33.3%,Plt 22.8×104/μl.生化学;Na 133mEq/l,K 3.3mEq/l,Cl 100mEq/l,BUN 11mg/dl,Cre 0.7mg/dl,AST 76IU/l,ALT 32IU/l,LDH 564IU/l,γ-GTP 56IU/l,T-Bil 0.3mg/dl,CRP 3.47mg/dl.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.