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Case
患者:26歳,女性.
主訴:発熱,悪寒戦慄.
既往歴:特記なし.
常用薬:サプリメントなども含めとくになし.
生活歴:喫煙歴なし,飲酒歴なし.
現病歴:入院前日の早朝に突然の41℃の発熱と悪寒戦慄がみられた.上気道症状,膀胱炎症状,消化管症状などはみられず,軽度の頭痛がみられる程度だった.筋肉痛や関節痛を認めない.最近の旅行歴はとくになく,ペットも飼っていない.翌日まで様子をみていたが解熱せず,兄がインフルエンザに罹患しているので自分もそうではないかと心配し救急外来を受診した.また,来院の数日前に耳違和感があり,近医受診し,処置を受けた.さらに最近,月経時の出血量が多く,帯下が多くみられるようになってきているとのことであった.
入院時身体所見:身長 164.3cm,体重 48.3kg,BMI 17.9.血圧 100/60mmHg,心拍数 108/分,呼吸数 24/分,体温 38.2℃,SpO2 97%(室内気).全身状態は発汗し全身脱力様である.意識は清明,眼瞼・眼球結膜に貧血や黄疸なし,咽頭発赤なし,項部硬直なし,頸部リンパ節触知せず,呼吸音は清・左右差なし,心音は整・心尖部から左背部に放散する汎収縮期雑音を聴取(Levine 2/6)・III音なし・IV音なし,腹部は右季肋部に軽度叩打痛,腸雑蠕動音は正常,背部叩打痛なし,四肢に浮腫なし,腋窩・鼠径部リンパ節は触知しない,皮膚に明らかに異常所見を認めない.
入院時血液検査:血算;WBC 8,500/μl,RBC 453×104/μl,Hb 13.5g/dl,MCV 88fl,Hct 39.6%,Plt 9.7×104/μl.生化学;Na 132mEq/l,K 3.2mEq/l,Cl 102mEq/l,BUN 10mg/dl,Cre 0.7mg/dl,Glc 115mg/dl,AST 18IU/l,ALT 15IU/l,T.Bil 1.2mg/dl,LDH 180IU/l,CRP 16.8mg/dl.一般尿検査;比重 1.035,pH 5.5,尿糖(-).尿蛋白(+),ケトン体(2+).尿沈渣;RBC 5-9/hpf,WBC 1-4/hpf.
インフルエンザ迅速診断キット:陰性.
心電図:図1.
胸部単純X線写真:図2.
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