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Case
主訴:痙攣
既往歴:①気管支喘息(処方なし),②無月経(2年前に近医にて指摘されたが外来は自己中断).
生活歴:主婦.夫と3歳の女児の3人暮らし,喫煙歴なし,飲酒歴なし.
現病歴:入院3週間前に扁桃炎にて近医入院歴あり.今回のイベントの2日前から発熱,喉の痛みの風邪症状がみられ,翌日には寒気と声が出にくい,唾を飲みにくいなどの症状が出現した.入院当日の朝に突然の強直性の痙攣が出現し,当院へ救急車搬送となった.搬送中,痙攣は数分で消失したが意識レベルの低下は持続していた.
入院時現症:血圧90/60 mmHg,心拍数90/分,呼吸数26/分,体温39℃,SpO2 99%(酸素3 l/分).GCS ; E1M1V1の昏睡(すぐに血糖測定しLowの表示のため,50%ブドウ糖液2Aを静注→すぐにGCS ; E3M6V5へ改善),以後診察.結膜は貧血・黄染なし,口腔は3横指開口するも流涎あり,頸部にてストライダーを聴取,頸静脈の怒張なし,頸部リンパ節腫脹なし,呼吸音は蓄痰音を聴取するが明らかなラ音なし,心音は整,腹部は軟・腸蠕動音も正常,下肢に浮腫なし.神経学的所見;脳神経の診察所見で明らかな異常なし(ただし,開口障害があり,咽頭の所見はとれず),深部腱反射は正常で左右差なし,徒手筋力テストも左右差なく正常,温痛覚も明らかな異常所見を認めず.
血液検査所見:血算;WBC 10,600/μl,RBC 334×104/μl,Hb 9.2 g/dl,Ht 28.9%,Plt 11.9×104/μl.生化学;BUN 12 mg/dl,Cr 0.4 mg/dl,Na 133 mEq/l,K 4.6 mEq/l,Cl 97 mEq/l,t-bil 0.7 mg/dl,AST 36 IU/l,ALT 16 IU/l,LDH 242 IU/l,Glc 2 mg/dl.動脈血液ガス検査(酸素マスク10 l/分);pH 7.3,PaCO2 39.6 torr,PaO2 165.5 torr,HCO3- 19.3(アニオンギャップ 17).
胸部単純X線写真:明らかな異常を認めず.
心電図:正常範囲内.
頭部CT:明らかな異常を認めず.
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