特集 内科医が遭遇する皮膚疾患フロントライン—「皮疹」は現場で起きている!
実践ケーススタディ よく遭遇する皮膚の困りゴト
発熱と発疹—山歩き後に出現した全身の発疹
遠藤 瑠璃子
1
1筑波大学医学医療系皮膚科
pp.2093-2096
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229280
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症例情報 60代男性.初診17日前に山歩きをしていた.初診10日前に37℃後半の発熱があり,前医で感冒薬を処方されたが解熱しなかった.初診前日に前医を再度受診した際には全身の発疹を指摘され,皮膚科専門医を受診するように勧められた.
皮疹 体幹や四肢に5〜10mmの淡紅色の辺縁不整な紅斑が多発していた(図1a)1).全身をくまなく観察すると,左下腿内側に3cmの発赤を伴う黒色痂皮がみられた(図1b)1).体温37.3℃で,全身倦怠感がある.また,全身のリンパ節腫脹があった.血液検査の結果は以下の通り.
検査値 WBC:19,600/μL,CRP 16.6mg/dL,AST 58IU/L,ALT 50IU/L
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