Editorial
西洋医療と相補代替医療
伴 信太郎
1
1名古屋大学医学部附属病院総合診療部
pp.711
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101771
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本号では,西洋医学とは異なる哲学,接近法を用いる医学・医療体系として,日本で用いられることが多い漢方と鍼灸を取り上げた.これらの医学・医療体系の表現として「代替医療」,「相補医療」,「CAM(complementary and alternative medicine)」,「統合医療」などが用いられ,さまざまな立場の人がいろいろなニュアンスでこれらの言葉を受け取るようである.「代替医療」とは,西洋医学の治療法以外の治療法を用いる場合を指し,「相補医療」とは西洋医療の補助として用いられる治療(例:術後の体調不良を和らげるアロマテラピー),「CAM」とは相補医療と代替医療を併せたもので,西洋医学には含まれないものを指し,「統合医療」とは患者本位の医療の原点に立ち,西洋医学を中心にしてCAMを取り入れる医療,という伊藤氏の説明は大変わかりやすい(p750).
漢方・鍼灸治療には,「古典に当たれ!というばかりで新しい進歩がほとんどない」という批判が必ずついて回るが,髙岡論文(p724)には,そのような批判に応える意欲的な研究が紹介されていて興味深い.
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