特集 相補・代替医療へのニーズにどう対応するか
日本における相補・代替医療の利用の現状と課題
山下 仁
1
,
津嘉山 洋
1
Hitoshi Yamashita
1
,
Hiroshi Tsukayama
1
1筑波技術短期大学附属診療所
pp.379-383
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100813
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■はじめに―用語の定義
「相補・代替医療」という用語は Complementary and Alternative Medicine を訳したものであるが,「補完・代替医療」あるいは「代替医療」と呼ばれることも多い.それぞれの呼称には呼ぶ人たちの様々な思い入れがあるようだが1),本稿では,中立を保つため欧米の医学界における略語を用いて「CAM」と呼ぶことにする.
CAM の定義は地域や立場の違いによって一定していないが,ここでは「現代医療機関において主流の医療手段として定着していない診断・治療体系の総称」としておきたい.具体的には,病院の医師が通常処方しないハーブ,サプリメント,鍼灸,健康器具などが CAM として位置づけられる.漢方薬については,日本の病院において医師の処方する通常的な薬剤になっているという見方もあるが,われわれは国際的な視点から,伝統医療も CAM のカテゴリーの一つとして扱うこととする.
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