特集 相補・代替医療へのニーズにどう対応するか
欧米における相補・代替医療の動向
ヨーロッパを中心とする相補・代替医療をめぐる政策の動向
広井 良典
1
Yoshinori Hiroi
1
1千葉大学法経学部総合政策学科
pp.394-396
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100816
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相補・代替医療に関する対応に当たっての基本的な視点とすべく,主にヨーロッパにおける相補・代替医療に関する政策的・制度的な対応について簡潔に概観してみたい.
■ヨーロッパにおける相補・代替医療に関する医療システムの概観
相補・代替医療に関する医療システムという時,特に重要なポイントとなるのは次の2点である.すなわち,
①相補・代替医療を実施することへの免許(ないし資格)制度のあり方
②相補・代替医療についての医療保険(医療保障)上の位置づけ
①は相補・代替医療を行う者(あるいはそうした医療の実施それ自体)が,いわゆるオーソドックスな通常医学―実質的に西洋近代医学―を行う医師との関係でどのように位置づけられているか,という点に関するものであり,相補・代替医療をめぐる医療システムの基礎をなすものである.一方,②は,経済的な側面ないし相補・代替医療を受けた場合の医療費に関して,それが(公的な)医療保険制度においてどのように位置づけられるか,という点に関するものであり,現実的なレベルにおいて大きな意味をもつものである.
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