特集 診療現場での倫理 Case Study
【Case Study】
胃瘻造設をめぐるケース
宮澤 麻子
1
1大森医院
pp.664-665
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101759
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Case
患者:63歳,男性.
現病歴:脳出血後遺症による左片麻痺,血管性認知症にて介護施設に入所中の患者.肺炎で,筆者が当時勤務していた筑波メディカルセンター病院総合診療科に入院し,抗菌薬10日間の治療で改善した.施設ではペースト食に軽いトロミをつけ全介助で問題なく摂取できていたとのことだったが,入院中次第に食事摂取量が低下し,痰吸引時に食物が引けたことから誤嚥が疑われた.病棟看護師からは「胃瘻を作ってから退院すべきでは」との意見が出された.
既往歴:48歳;脳梗塞,55歳;皮質下出血,症候性てんかん.
患者背景:ADLは全介助でリクライニング車椅子まで.覚醒はしているが会話不能で意思疎通困難.連絡のとれる家族や親戚はいなかった.生活保護受給中.グループホームに入所していたが,介護困難のため入院5日前に介護施設に移ったところだった.
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