特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
3.胃
胃瘻造設術
藪崎 裕
1
,
梨本 篤
1
,
中川 悟
1
Hiroshi YABUSAKI
1
1新潟県立がんセンター新潟病院外科
pp.188-190
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102794
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はじめに
1849年のSedillot以来,胃瘻造設術には種々の術式が考案された.目的別では,(1)食物の経口摂取が不能な場合の栄養補給,(2)種々の原因による胃内容の貯留に対する減圧に分類される.一方,その手技から,(1)開腹胃瘻造設術,(2)経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:以下,PEG),(3)腹腔鏡,内視鏡併用下胃瘻造設術にも分類できる.通常は低侵襲のPEGが第1選択であるが,腹水の存在がある場合や経口的に内視鏡の挿入が不可能な場合,または腹腔内癒着によって大腸穿刺の可能性がある場合には小開腹による胃瘻を造設する場合もあり,患者の状態に合わせた術式を選択する必要がある.
本稿では開腹胃瘻造設術の手技を述べるが,現在多用されているのは,間接瘻であるWitzel法(1891年),直接瘻であるStamm法(1894年),Kader法(1896年)などである1).
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