特集 肩こりを解きほぐす
【肩こりをきたす病態と診断・治療のポイント】
歯科疾患―顎関節症・不良咬合
木野 孔司
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科顎関節咬合学分野
キーワード:
顎関節症
,
不良咬合
,
上下歯列接触癖
Keyword:
顎関節症
,
不良咬合
,
上下歯列接触癖
pp.294-296
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101669
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Case
顎関節症の疼痛と肩こりを訴えて来院した症例
患者:46歳,女性.
主訴:右顎関節部疼痛と肩こり.
既往歴:高校3年(18歳)頃から両側の肩こり.
現病歴:22歳頃から右顎関節に「カクンカクン」という音があったが,疼痛や開口障害がなく放置していた.6カ月前に音は消えたが大開口できなくなり,右顎関節に開口時痛が出現するようになった.この頃から,右側の肩こりが強くなり,鍼灸や整体に通ったが,一時的な効果しか得られなかった.
復位を伴わない関節円板前方転位による関節痛と診断し,習癖是正,関節の可動化訓練を実施したところ,関節の可動性が回復して開口時痛は消失した.同時に肩こりも改善したが,完全に消失するには至らなかった.
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