特集 肩こりを解きほぐす
【肩こりをきたす病態と診断・治療のポイント】
循環器疾患
紺谷 真
1,2
1奈義ファミリークリニック
2湖北グリーブクリニック
キーワード:
冠動脈疾患
,
慢性心不全
,
うつ病
,
社会心理的因子
Keyword:
冠動脈疾患
,
慢性心不全
,
うつ病
,
社会心理的因子
pp.282-286
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101665
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「『肩こり』と循環器疾患」という御題をいただいた時,循環器内科上がりの家庭医(修行中)としては大変興味があるテーマだと思いつつも,「そういえば『肩こり』とはどう定義されているのだろうか?」「そもそも,欧米には『肩こり』に相当する概念がないというではないか.だとすると『肩こり』に関するデータが存在しないのではないか?」という根本的な疑問に突き当たった.
口語表現としては昔から使われている「肩こり」であるが,医学的にはどう定義されているのだろうか?本稿作成に際して文献を探してみたのだが,矢吹ら1)が『肩こりの病態』と題した臨床研究の実施に際して「後頭部から肩および肩甲部にかけての筋肉の緊張を中心とする不快感,違和感,鈍痛などの症状・愁訴」と任意に定義したのをみたのみであった.正式な学術的定義はないようである.
欧米の医学用語としてはどうか?「肩こり」の英訳としてstiff shoulder, shoulder stiffnessが使用されることがある(後者は日本内科学会(編)『内科学用語集』にも収載されている)が,これらのことばでインターネット検索すると,adhesive capsulitis,frozen shoulder(癒着性肩関節炎)に関連した話題はヒットするが,いわゆる「肩こり」と関連した話題はヒットしない.欧米で「肩 (shoulder)」という場合肩関節周辺のみを指すようで,われわれ日本人が「なで肩」などといった表現でイメージする僧帽筋領域はneckに属するらしい.
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