JIM Report
米国における老年医学後期研修の実際
大蔵 暢
1
1ミシガン大学老年医学科
pp.604-607
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101469
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筆者は2007年7月から米国ミシガン州アナーバー市にあるミシガン大学病院にて,1年間の老年医学後期研修を始めている.
米国の後期研修(フェローシップ)には内科の場合,3年間の初期研修(レジデンシー)の後に進む.米国の医学教育システムの詳細は他に譲るが,老年医学フェローシップが循環器や消化器などの他の後期研修プログラムと異なるのは,それらの門戸が内科初期研修を終えたものだけに開かれているのに対し,老年医学には内科と家庭医療の両方の初期研修から入ることができる点である.同じプログラムに家庭医療学での初期研修を終えた吉岡哲也先生も在籍していて,一緒に楽しく学んでいる.米国の後期研修プログラムも初期研修と同様ACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education:卒後医学教育認可評議会,J1)がプログラムの標準化に大きく貢献しており,全米のどのプログラムでも同様の研修を受けることができる.
今回ミシガン大学の老年医学後期研修の実際を紹介し,私見を交えて米国の老年医学教育の問題点,日本における同分野の将来性について考察したい.
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