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はじめに
弘前大学大学院保健学研究科では,「緊急被ばく医療人材育成プロジェクト」における教員研修の一環として,米国テネシー州オークリッジにあるREAC/TS(Radiation Emergency Assistance Center/Training Site)での短期研修に,2008年より毎年数名の教員を派遣している。
REAC/TSでは,放射線関連事故時の緊急対応,放射線被ばく医療に対する相談や助言,保健物理学的知見に基づく放射線量評価,放射線医学研究など多岐にわたる業務を担うと同時に,被ばく医療に関する研修を開催している。現在,REAC/TSで行なっている研修には,「Radiation Emergency Medicine」「Advanced Radiation Medicine」「Health Physics in Radiation Emergencies」「Pre-Hospital Radiation Emergency Preparedness」「Agents of Opportunity for Terrorism」の5つのコースがある(REAC/TSウェブサイト:http://orise.orau.gov/reacts/)。
筆者らは今回,2011年11月1~4日に開催されたRadiation Emergency Medicineコースを受講する機会を得た。研修の参加者は14名であり,国別の内訳は,日本6名,米国4名,台湾3名,スペイン1名であった。また職種別では,医師7名(救急医6名,放射線科医1名),看護師4名,医師助手1名,保健物理の専門家2名であった。本学からは,医師1名,看護師2名,保健物理の専門家2名の計5名が参加し(写真1),研修内容については,日本保健物理学会の学会誌『保健物理』でも紹介されている(細田,齋藤,床次,高間木,横田,2011)。本稿では,Radiation Emergency Medicineコースの概要および本研修を通して得られた学びについて,看護職の立場から概説する。
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