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症例:45歳の男性,車椅子生活.
主訴:悪寒と発熱.
【現病歴】来院4日前より鼻汁と咳があり,外来にて感冒薬を処方された.その後,湿性咳嗽と黄色痰が出るようになり,来院当日から悪寒が生じたため救急外来を受診した.
【既往歴】HAM(HTLV-1関連脊髄症)にて20歳から車椅子使用.現在は尿道カテーテルを留置し10日ごとに交換.再発を繰り返す尿路感染症で頻回に入院歴あり.半年前の喀痰培養でバンコマイシンとミノサイクリンのみに感受性のあるペニシリン高度耐性肺炎球菌(PRSP)を検出.アレルギーなし.内服薬なし.
【身体所見】身長160cm,体重45kg.バイタルサイン;血圧132/70mmHg,脈拍96/分,呼吸数20/分,体温38.9℃,SpO2 95%(室内気にて).全身状態;悪くはない.頭頸部;咽頭発赤なし,頸部リンパ節腫脹なし.胸部;喘鳴・湿性ラ音なし.心音;整,心雑音なし.腹部;平坦軟,圧痛なし.背部;CVA(肋骨脊椎角)叩打痛なし.臀部に褥瘡の瘢痕あり.四肢;痙性対麻痺.
【検査所見】血液検査;WBC 15,900/μl,Hb 13g/dl,Hct 40%,Plt 32×104/μl,Na 134mEq/l,K 3.9mEq/l,Cl 94mEq/l,BUN 14mg/dl,Cr 0.6mg/dl,Glu 92mg/dl,CRP 0.64mg/dl.尿検査;比重1.022,アセトン3+,赤血球<1/HPF,白血球1~9/HPF,菌1+.尿グラム染色;多核白血球0~1+,さまざまな菌を0~1+.胸部X線;浸潤影なし(図1).喀痰グラム染色;多核白血球(PMN)2+,矢印の菌2~3+(図2).喀痰抗酸菌染色;抗酸菌は陰性.
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