特集 臨床所見から考える婦人科画像診断
既往歴,家族歴から考える婦人科腫瘍
伊藤 久尊
1
,
小山 貴
1
1倉敷中央病院放射線診断科
キーワード:
遺伝性乳癌卵巣癌症候群
,
Lynch症候群
,
母斑症
Keyword:
遺伝性乳癌卵巣癌症候群
,
Lynch症候群
,
母斑症
pp.799-808
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000005526
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
● 若年発症や両側乳癌の既往のある場合は,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の可能性を考慮する.HBOCでは,卵管采の漿液性卵管上皮内癌(STIC)由来の高異型度漿液性癌が好発する.
● Lynch症候群における大腸癌は右半結腸に好発し,子宮体癌は子宮峡部に生じやすい.
● 大腸癌の卵巣転移は多房性嚢胞性腫瘤を形成し,しばしば両側卵巣に転移を来す.胃の印環細胞癌の卵巣転移はKrukenberg腫瘍と呼ばれ,強い拡散制限と造影効果を呈する.
● 乳腺の浸潤性小葉癌と胃の印環細胞癌が子宮に転移した場合,びまん性の子宮腫大を呈する.この所見は血液系腫瘍の子宮浸潤においても認められる.
Copyright © 2024, Gakken All rights reserved.