特集 重症感染症
7.動物接触歴と感染症
山口 征啓
1
Yukihiro YAMAGUCHI
1
1健和会大手町病院 総合診療科
pp.85-90
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100262
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動物から感染する感染症を人獣共通感染症zoonosisと呼ぶが,原因微生物も,ライフサイクルも,感染経路も,非常に多種多様で,膨大な領域である1)。ローカルファクターに大きく左右され,地域によって鑑別診断がまったく変わってしまうのも,このジャンルの特徴である。実際の診療では,まず診断が大きな壁となる。鑑別診断のリストが長くなるうえに,日頃見慣れない疾患や培養の難しい病原体を鑑別しなければならない。もう1つ重要な点は,人獣共通感染症の場合,市中感染敗血症でemptive治療として使われることの多い第3世代セフェム系薬物などのβラクタム系薬物が効かないものがあることである。人獣共通感染症かどうかでemptive治療の内容も変わってくる。
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