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症例:85歳の男性,COPDあり.
主訴:発熱.
【現病歴】来院3週間前に肺炎で入院し,ペニシリン高感受性肺炎球菌(PSSP)に対してアンピシリン(ABPC)を7日間使用して退院した.退院後調子はよかったが,3日前から咳の増加と痰の膿性化を認め,次第に労作時呼吸苦が増強した.さらに悪寒(chill)と38℃の発熱を認めるようになったため,夕方救急室を受診した.
【既往歴】COPD(Hugh-Johns分類IV度)にて吸入薬を3種類使用(ステロイド・β2刺激薬・抗コリン薬).入院歴2回あり.アレルギーなし.
【生活歴】喫煙;1箱/日を50年間.飲酒;泡盛2合/日を50年間.
【身体所見】身長155cm,体重42kg.バイタルサイン;血圧140/80mmHg,脈拍120/分,呼吸数32/分,体温37.2℃,SpO2 93%(室内気).全身状態;口すぼめ呼吸をしておりやや不良.頭頸部;貧血/黄疸なし,胸鎖乳突筋の肥大あり.胸部;喘鳴(wheeze)が呼気に軽度あり・湿性ラ音(crackle)ははっきりせず.心音;整,心雑音なし.腹部;平坦軟,圧痛なし.四肢;ばち状指なし.
【検査所見】
血液検査;WBC 10,900/μl,Hb 13g/dl,Hct 40%,Plt 27×104/μl,Na 135mEq/l,K 4.8mEq/l,Cl 97mEq/l,BUN 13mg/dl,Cr 1.0mg/dl,Glu 123mg/dl,AST 21IU/l,ALT 11IU/l,CRP 14mg/dl.
動脈血液ガス(室内気,呼吸数32回/分);pH 7.42,CO2 37mmHg,O2 56mmHg,HCO3-24mEq/l.
尿検査;白血球<1/HPF,菌なし.
胸部X線;右下肺野に浸潤影が軽度あるか?(図1)
喀痰グラム染色;多核白血球(PMN)1~2+,矢印の菌1~2+(図2aとbは同じ検体).
喀痰抗酸菌染色;抗酸菌は陰性.
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