特集 手をみせて
【手の局所疾患】
手の外科外来でよくみる手の疾患
生田 義和
1
1広島手の外科・微小外科研究所
キーワード:
手根管症候群
,
肘部管症候群
,
手指関節の変形症
,
手の痛み
,
手のしびれ
Keyword:
手根管症候群
,
肘部管症候群
,
手指関節の変形症
,
手の痛み
,
手のしびれ
pp.500-503
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101442
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本稿では,手の外科外来を受診する患者本人が最初に気づくことが多い,頻度の高い手の疾患を主訴から分類して述べる.
手の痺れ,疼痛,知覚異常など
■手根管症候群
夜間就寝中に手のしびれのために目が覚め,思わず手を振る動作をするといった典型的な主症状や,母指を使って小さなものを摘み上げる動作で力が入りにくいなどの運動障害を主訴とする場合もある.原因は,正中神経が手根管の中で圧迫されることによるものであるが(図1),圧迫の原因は不明なことが多く,全体の7割近くを占める.手指屈筋腱滑膜の肥厚,橈骨末端骨折による骨の変形,あるいは血液透析患者のアミロイドーシスや妊娠などの明確な原因があることもある.特発性のものは,中年以降の女性に多く,利き手側に多いが両側性のこともある.
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