カラーフォーラム
慢性腎不全患者のシャント肢手術における駆血帯使用
佐竹 寛史
1
,
本間 龍介
,
丸山 真博
,
長沼 靖
,
花香 直美
,
高木 理彰
1山形大学 整形外科
キーワード:
腱鞘炎
,
時間
,
止血帯
,
止血法
,
手根管症候群
,
腎不全-慢性
,
肘部管症候群
,
ブラッドアクセス
,
駆血
Keyword:
Carpal Tunnel Syndrome
,
Hemostatic Techniques
,
Kidney Failure, Chronic
,
Tenosynovitis
,
Tourniquets
,
Time
,
Cubital Tunnel Syndrome
pp.652-653
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016307924
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慢性腎不全により血液透析を受けている患者で、シャント肢の手の障害に対し駆血帯を使用して手外科手術を行った21例について検討した。疾患は手根管症候群13例、肘部管症候群2例、神経鞘腫2例、腱滑膜炎、ばね指、de Quervain腱鞘炎、腱断裂が各1例であり、全例Esmarch法で上肢の巻き上げを行った後に空気駆血帯を使用した。空気圧、駆血時間およびシャント不全を調査した結果、十分な駆血が得られず、駆血帯使用を断念した1例を除く20例では、平均空気圧263mmHgで平均35分、最大90分間駆血するも術後全例でシャントの再灌流が良好であり、周術期シャント不全を生じた症例はなかった。シャント肢における駆血帯使用は必ずしも禁忌ではなく、手外科におけるatraumaticな手術を実現するためには必要なものであると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016