特集 手をみせて
【全身疾患でみられる手の所見】
子どもでみられる手の所見―手から感染症候・小奇形・運動発達・不随意運動をみる
森田 潤
1
1こどもクリニックもりた
キーワード:
水疱
,
手掌紅斑
,
微細運動発達
,
小奇形
,
常同運動
Keyword:
水疱
,
手掌紅斑
,
微細運動発達
,
小奇形
,
常同運動
pp.496-499
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101441
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
子どもの手をみて診断のてがかりとなるcommon diseaseの代表は,手足口病と川崎病であろう.
手足口病(図1)
手足口病は名前のとおり手・足・口などに水疱性発疹がみられる病気で,時に臀部や膝・肘に同様の発疹をみる.コクサッキーA16が主原因のウイルスであるが,コクサッキーA10やエンテロ71なども原因となるため,くり返し罹患することがある.夏に多く,好発年齢は1~4歳,潜伏期間は3~5日,伝染の様式は便の直接・間接接触と飛沫感染で,ウイルスの排泄は咽頭から1~2週間,便から3~5週間と長く続くため隔離は不要である.集団生活は,発熱がなく食事が取れるようであれば発疹が残っていても可である.エンテロ71の流行時は,無菌性髄膜炎の発生を念頭に,嘔吐や頭痛があれば項部硬直のチェックを要する.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.