Editorial 
                        
                        
                
                  
                  
                  
                  
                            
                                    
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    科学的手相学は可能か
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                伴 信太郎
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1名古屋大学医学部附属病院総合診療部
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.445
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 2008年6月15日
                  Published Date 2008/6/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101427
                
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手相学というのは,広辞苑によると「手と性格および体質との関係を研究する学問」とのことである.手相で過去を言い当てたり,未来を占ったりする「手相学」がどれほど信頼性のあるものかはよく知らない.しかし,爪の所見から過去の大病を言い当てることは可能であるし(Beau line),手のsimian lineは,出生後の発達を予測するひとつの手がかりになる.このようなことから,筆者は数年前から「科学的手相学」なるものが可能ではないかと考えてきた.手はいつでもどこでも診察できる部位であるので,そのような診察法の確立の意義は大きいと思う.その可能性を模索しようということも今回の特集のひとつの目的である.
人類が他の動物と最も大きく違うのは,直立二足歩行し,両手で道具を作ることができ,頭脳の発達を促し,言語を用いて文化をつくりだした点であるとされる(ここにいう文化とは,生物学上の遺伝によらず,社会生活を通じて身につけ伝達される行為や生活様式を指す).手は人間を人間たらしめている重要な器官で,きわめて巧妙な動きや繊細な機能をもっている.小児期の手の巧緻運動の発達は,いまさらながらその精密さに驚かされる1).このような精密なものであるゆえに,また絶えず外に出ていて他人の目に晒されているがゆえに,患者からさまざまな訴えが持ち込まれる.整形外科,神経内科,皮膚科的な問題はそのようなものの典型であろう.
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