感染症が見える! グラム染色に基づく抗菌薬療法[7]
若い女性の尿路感染症(その2)
谷口 智宏
1
,
喜舎場 朝和
2
1大阪医療センター内科・免疫感染症科
2元 沖縄県立中部病院内科
pp.547-550
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101155
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患者:24歳の女性,看護師.
主訴:発熱,右背部痛.
【現病歴】来院数日前から排尿時痛があった.来院当日の朝から残尿感と右背部痛が出現した.寒気(chilly sensation)があり,熱は37℃台で仕事を続けていたが,夜になり悪寒(chill)が出現したため救急センターを受診した.
【既往歴と生活歴】膀胱炎で抗菌薬使用歴あり.アレルギーなし.喫煙・飲酒なし.
【身体所見】身長152cm,体重48kg.バイタルサイン;血圧110/60mmHg,脈拍102/分,呼吸数16/分,体温38.1℃.全身状態;倦怠様.頭頸部;貧血・黄疸なし.胸部;喘鳴(wheeze)なし,湿性ラ音(crackle)なし.心音;整,心雑音なし.腹部;平坦軟,圧痛なし.背部;右CVA(肋骨脊椎角)叩打痛中度あり.
【検査所見】血液検査:WBC 13,200/μl,Hb 14g/dl,Hct 41%,Plt 19×104/μl,Na 141mEq/l,K 3.6mEq/l,Cl 97mEq/l,BUN 6mg/dl,Cr 0.5mg/dl,Glu 90mg/dl,AST 15IU/l,ALT 12IU/l,CRP 0.3mg/dl.
尿検査:アセトン1+,赤血球1未満/HPF,白血球5~9/HPF,桿菌2+.
腹部エコー:両側腎ともに水腎・結石なし.
尿グラム染色:多核白血球(PMN)1+,大型のグラム陰性桿菌(gram-negative large rod)1+(図1).
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