特集 輸液:その組成・アクセス・管理
基礎疾患に応じた輸液—(1)心不全
高橋 通規
1
,
山田 康雄
1
,
柿崎 健二
1
,
菊地 秀
1
Michinori TAKAHASHI
1
1国立仙台病院外科
キーワード:
うっ血性心不全
,
術前評価
,
輸液
Keyword:
うっ血性心不全
,
術前評価
,
輸液
pp.595-598
発行日 2000年5月20日
Published Date 2000/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904105
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
心不全とは,様々な原因による心臓のポンプ機能の低下である1).そのため肺や全身にうっ血を来す病態をうっ血性心不全という.当科における周術期でのうっ血性心不全合併の割合は過去5年で0.8%であったが,術死となった症例はなかった.現在では多くの効果的な心不全治療薬も開発され,心不全は恐れるに足らない合併症の様相を呈しているが,外科医であれば1度はこの合併症により治療に難渋した経験を有しているのではないだろうか,心不全に対する不適切な対応は,術前の主治医の認識不足による場合が多い.ここでは,周術期管理の面から,うっ血性心不全を中心とした心不全の輸液の要点を述べる。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.