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症例:65歳の男性,タクシー運転手.
主訴:咳.
【現病歴】来院2カ月前からかぜをこじらせていた.咳と痰で夜眠れなくなり,食事もとれないので,近医を受診した.第三世代セフェム系とニューキノロン系の内服薬を処方されたが,症状が増悪してきたので,内科外来を受診した.
【既往歴】特記すべきことなし.
【生活歴】喫煙;2箱/日.機会飲酒.
【身体所見】身長158cm,体重57kg.バイタルサイン;血圧110/56mmHg,脈拍112/分,呼吸数32/分,体温37.0℃,SpO2 96%(室内気).全身状態;咳と呼吸苦のため良好といえず.頭頸部;貧血/黄疸なし,う歯多数あり,リンパ節腫脹なし.胸部;喘鳴(wheeze)・湿性ラ音(crackle)なし,左呼吸音低下.心音;整,心雑音なし.腹部;平坦軟,圧痛なし.背部;CVA(肋骨脊椎角)叩打痛なし.
【検査所見】
血液検査;WBC 31,000/μl,Hb 12g/dl,Hct 35%,Plt 56×104/μl,Na 121mEq/l,K 4.3mEq/l,Cl 93mEq/l,BUN 11mg/dl,Cr 0.7mg/dl,Glu 91mg/dl,AST 19IU/l,ALT 13IU/l,TP 6.3g/dl,Alb 1.6g/dl,LDH 126IU/l,CRP 27mg/dl.
胸部X線(図1)と胸部単純CT(図2);左胸水が大量に貯留.
胸部エコー(図3);複数の被包化した左胸水を認める(矢印).
胸水;嫌気臭が強い,肉眼所見は小豆色の膿(図4).pH 6.20,蛋白3.3g/dl,LDH 15,080 IU/l,糖4mg/dl,細胞数149,400/μl(好中球82%).
胸水グラム染色;多核白血球(PMN)1+,矢印の菌2+(図5).
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