となりの総合診療部[33]
麻生飯塚病院総合診療科の昨日,今日,明日
井村 洋
1
1麻生飯塚病院総合診療科
pp.808-809
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101259
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院内で総合診療科と名乗りはじめて10年が経過しましたので,この機会に,これまでの経過と現状,今後の展望について述べてみます.
昨日
振り返れば,病院総合内科という新しい診療科が,院内で機能的に根をはるプロセスでした.そのためにはいくつかの重要なポイントがありました.
ひとつは,病院トップの理解と支援です.総合診療科と同時期に独立した救急部もあわせて,病院組織の土台(私はあえて底辺とよんでいますが)の役割を担う部門として認定され,院内外に宣伝・啓蒙できたことで,他部門・他施設との連携や協力を,円滑に進めることができました.
さらには,研修教育の中核を総合診療科が担当できたことです.総合診療科と名称する以前から初期研修担当科の存在があり,それを総合診療科と名づけたのが11年前のことでした.その後,初期研修の内科の目標を「プレゼンテーションやアセスメントが型どおりできる」に据えて,それを支援するように後期研修医とスタッフ医が機能することで,結果的に当院の総合内科の役割が,診断技能の洗練と標準的治療を行う機関であるという明確な方向性につながりました.
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