今月の主題 胆道系疾患1992
Editorial/胆石症治療の昨日・今日・明日
菅田 文夫
1
1昭和大学藤が丘病院・内科
pp.202-203
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901351
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●日本人の胆石の特徴と時代的変遷
胆石の分類法が日本消化器病学会胆石症検討委員会案として,一応のコンセンサスが得られたのが1986年である故,それ以前のわが国の胆石の分布,特徴に関する諸報告については,多少の問題点を抱えていると言わざるを得ないが,胆管内のビリルビンカルシウム石が比較的多く認められたことは事実であろう.
さて,本邦における成人の胆石保有者の頻度は母集団のとり方によって異なった数字が出てくるものと思われる.剖検例,人間ドック検診,日本医療統計(JMS)などの報告から類推すれば,昭和30〜40年代で20歳以上の成人の胆石保有率が5%前後であったものが,現在は8%程度に上昇していると考えるのが妥当と思われる.
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