特集 疾患・治療概念の最近の変化
【治療】
スタチンのコレステロールを介さない細胞生物学的作用
網谷 英介
1
,
前村 浩二
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科
キーワード:
スタチン
,
pleiotropic effect
,
内皮機能
,
抗炎症作用
Keyword:
スタチン
,
pleiotropic effect
,
内皮機能
,
抗炎症作用
pp.669-671
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101192
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スタチンはコレステロールの代謝経路にあるHMG-CoA reductaseという酵素を阻害し,強力な脂質低下作用を発揮する薬物である.LDLコレステロールを低下させることで,有意に心血管イベントの発生リスクを低下させることが虚血性心疾患の一次予防および二次予防試験において報告されてきた(4S,WOSCOPS,CARE,LIPID試験など).しかし,近年スタチンに脂質低下作用では説明しきれない効果があることが多数報告され,それらを総称して多面的作用(pleiotropic effect)と呼ばれている.本稿ではこのpleiotropic effectをいくつか紹介し,循環器疾患を中心に臨床的な効果との関連を述べる(図1).
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