特集 透析患者における電解質・酸塩基平衡異常―透析液を含めて
5. 透析液の適正なナトリウム濃度とは―低ナトリウム透析液を勧める立場から
花房 規男
1
1東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
低ナトリウム透析液
,
高血圧
,
透析間体重増加
,
内皮機能
,
抗炎症作用
Keyword:
低ナトリウム透析液
,
高血圧
,
透析間体重増加
,
内皮機能
,
抗炎症作用
pp.165-171
発行日 2019年2月10日
Published Date 2019/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000796
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ナトリウム(Na)イオンは細胞外液・血管内容量を規定する重要な溶質で,透析液のNa 濃度に影響を受ける.透析液のNa 濃度は血圧・循環動態に影響するだけではなく,浸透圧を介して口喝にも影響する.低Na 透析液では,高血圧・透析間体重増加の抑制効果だけではなく,炎症・内皮機能にも良い効果をもつ可能性が示されている.透析中の血圧低下を増加させるとする報告もあるが,とくに食塩摂取量が多い若年透析患者では,長期的な予後改善のため,低Na 透析液が有効である可能性がある.本稿では,低Na 透析液を勧める立場から透析液Na 濃度について考察した.
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