Japanese
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特集 スタチンのプレイオトロピック効果と心血管疾患
スタチンによるコレステロール低下療法の意義
Plaque Stabilization by Statin Treatment
相川 眞範
1
,
福本 義弘
1,2
Masanori Aikawa
1
,
Yoshihiro Fukumoto
1,2
1ハーバード大学医学部ブリガム・ウィメンズ病院循環器科
2(現)九州大学大学院医学研究院循環器内科
1Harvard Medical School Cardiovascular Medicine Brigham and Women's Hospital
pp.763-769
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100696
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はじめに
心筋梗塞などの急性冠症候群の多くは,必ずしも血管造影上は有意狭窄を示さないが,マクロファージなどの炎症細胞に富み,コラーゲンに乏しい動脈硬化プラークの破綻と血栓形成により誘導されると推定される.プラークのマクロファージの発現するコラゲナーゼなどのプロテアーゼやtissue factorなどの血栓形成促進因子は粥腫を物理的に不安定にし,破綻を来しやすくし,破綻部位での血栓による血管閉塞を誘導すると考えられる.高コレステロール血症が心筋梗塞の危険因子であることは長年にわたり知られていたが,スタチン大規模試験によりコレステロール低下により急性冠症候群を予防しうることが漸く証明されたのは1990年代のことである.コレステロール低下は血管の炎症や活性化を改善し,粥腫不安定化に寄与する様々な因子を抑制することにより,急性冠症候群を予防すると考えられる.
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