特集 疾患・治療概念の最近の変化
【治療】
DMARDsの早期開始
岡田 正人
1
1聖路加国際病院アレルギー・膠原病科
キーワード:
関節リウマチ
,
DMARDs早期導入
,
MRI
,
骨びらん
,
抗CCP抗体
Keyword:
関節リウマチ
,
DMARDs早期導入
,
MRI
,
骨びらん
,
抗CCP抗体
pp.672-674
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101193
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Case
急性対称性多関節炎にて紹介された関節リウマチ疑いの1例
患者:22歳の女性,保育士.
現病歴:3週間前から両側手指第2関節の腫れと圧痛,2週間前から右膝にも関節炎が出現したため近医受診.血液検査でリウマチ因子陽性であり,関節リウマチの診断となりステロイド薬を勧められた.ステロイド薬の副作用をインターネットで調べ,ムーンフェイスになるのではと不安になったため来院.1カ月ほど前に勤務先の幼稚園にてりんご病が流行していた.血液検査により,ヒトパルボウイルスB19 IgM抗体陽性であり,ウイルス性関節炎の可能性が高いと考え非ステロイド性抗炎症薬にて経過観察となった.関節炎は2週間でほぼ完治し,リウマチ因子もその後陰性化した.
薬物療法の進歩により,関節リウマチによって日常生活に制限が必要になるような機能障害を起こすことは少なくなってきている.しかしながら,すでに発症から年月がたち関節破壊の進行した症例においては,機能障害は不可逆性であり現在の生物学的製剤(J1)を含む薬物療法においても,治療の現実的な目標は関節破壊の予防である.
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