連載 日本人が貢献した認知症研究の足跡・4
アリセプト®の開発秘話
杉本 八郎
1,2,3
1名古屋葵大学
2同志社大学生命医科学研究科
3グリーン・テック社株式会社
キーワード:
ドネペジル
,
アリセプト®
,
コリン仮説
,
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
Keyword:
ドネペジル
,
アリセプト®
,
コリン仮説
,
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
pp.826-831
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188160960770070826
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はじめに
アリセプト®(ドネペジル)開発の原点には私の母が認知症になったことがある。最愛の母が自分の息子を忘れるという大変ショッキングな出来事があった。当時は認知症の薬はなかった。「よし! それでは自分が作って母に恩返しをしよう」と決意した。研究に着手してから発売まで15年の歳月が流れた。しかし母はそのとき既に亡くなっていた。ただアリセプト®は多くの方に使っていただき多くの方から感謝の言葉をいただいた。ここでは研究に着手してから発売までの経緯を開発秘話として述べたい。

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