今月の主題 脳脊髄液
話題
脳脊髄液タウ蛋白
瓦林 毅
1
,
東海林 幹夫
1
Takeshi KAWARABAYASHI
1
,
Mikio SHOJI
1
1岡山大学大学院医歯学総合研究科神経病態内科学
キーワード:
アルツハイマー病
,
タウ
,
脳脊髄液
,
アミロイドβ蛋白
,
MCI
Keyword:
アルツハイマー病
,
タウ
,
脳脊髄液
,
アミロイドβ蛋白
,
MCI
pp.419-424
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100132
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1. はじめに
アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)はわが国の痴呆(認知症)の約半分を占め,人口の高齢化とともにその数は増加し続けている.ADの治療薬としてわが国でもドネペジルが登場し,早期投与でより高い効果が得られるためADの早期診断の必要性は高まっている.また,mild cognitive impairment(MCI)と呼ばれる正常と痴呆の境界領域の患者が存在し1),高頻度でADに移行することから,これらの患者が将来ADを発症するかどうかの予測が重要になってきている.AD脳の病理学的特徴はリン酸化タウからなる神経原線維変化とamyloid β protein(Aβ)からなるAβアミロイドである.ここ数年間のADの診断検査法研究の進歩から,脳脊髄液のタウとAβ42はADの有用な診断マーカーであることが明らかとなった.タウはその診断感度および特異性でAβ42より優れるという報告が多い.本稿では,脳脊髄液タウによるAD診断について述べる.
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