特集 体重減少へのスーパー・アプローチ
食欲がなく消化器症状がない場合の体重減少
堀之内 秀仁
1
1聖路加国際病院内科
キーワード:
うつ病
,
結核
,
社会背景
,
薬剤
Keyword:
うつ病
,
結核
,
社会背景
,
薬剤
pp.565-567
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101161
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一般に,外来,入院患者あわせての体重減少の最終診断としては,癌,消化器疾患,うつ病を含む精神疾患,薬剤副作用,神経疾患,そのほかの原因(甲状腺機能亢進症,結核,糖尿病など)が多いものの,25%前後は原因不明との報告もある1).
原因不明の体重減少は内科の一般外来においても頻繁に遭遇する.多くの場合,時間経過とともに消化器症状,そのほかのフォーカスを示す兆候が出現し,診断に結びつく.しかし,漠然とした食欲低下のみが継続し,明らかなfocal signのない体重減少も多く,診断に苦慮することもある.
一方,韓国から,30~95歳までの120万人余を対象とした,12年間の前向きコホートが昨年発表され,そのなかで体重と全死亡は“J字カーブ”を描くことが示された.そのなかでは,BMIが18.5以下となると,全死因のハザード比が男性で1.29(95%信頼区間1.15~1.44),女性で1.17(95%信頼区間1.09~1.26)となることが判明し,一般症候としての体重減少の重要性を具体的に明らかにした2).
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