特集 知っておきたいゲノムの知識
TOPICS
バイオ医薬品の現状と将来
早川 堯夫
1
,
石井 明子
1
1国立医薬品食品衛生研究所
pp.142-143
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101101
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バイオ医薬品とは,生命現象の分子的解明を基にバイオテクノロジーなどの先端技術を応用して製造される医薬品を指す.具体的には,①組換え細胞や培養細胞などの細胞基材より生産されるタンパク質性医薬品(ホルモン,酵素,サイトカイン,血液凝固因子,ワクチン,抗体など),②遺伝子治療薬,③細胞治療薬・医療機器,④トランスジェニック(Tg)動物/植物由来タンパク質性医薬品,⑤Tg動物由来細胞治療薬など,⑥核酸医薬品(アンチセンス,リボザイム,siRNA,デコイ,DNAワクチン)などがあげられる.
1980年代以降,まず,遺伝子組換え技術などを応用して,従来の手法では入手困難であったヒト型のタンパク質や微量活性タンパク質が組換え大腸菌や動物細胞から生産され,医薬品として臨床に供された.その後さらに,ヒト型のモノクローナル抗体,遺伝子治療薬や細胞治療薬などがバイオ医薬品として開発されてきた(表1)1).
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