特集 高齢者のQOLを高める
高齢者における薬物療法―多剤投与を防ぎ服薬コンプライアンスを向上させるために
伊藤 雅天
1
Masataka itou
1
1東京ほくと医療生協 王子生協病院内科
キーワード:
高齢者
,
薬物治療
,
多剤投与
,
服薬コンプライアンス
Keyword:
高齢者
,
薬物治療
,
多剤投与
,
服薬コンプライアンス
pp.1028-1031
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101080
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Case
「指示どおり」の内服によりパーキンソン病が悪化した症例
患者:71歳,男性.
現病歴:65歳時にパーキンソン病と診断され,抗パーキンソン薬の内服治療を受けていた.Hoehn&Yahrのパーキンソン病尺度で重症度3.処方薬剤は以下のとおり.ペルマックス(R)750mg 3×,ネオドパストン(R)300mg 3×,リボトリール(R)1mg 2×,カバサール(R)0.5mg 1×.2カ月前に急性腰痛があり,その直後よりパーキンソン症状が悪化,全身性に筋硬直,自力歩行不能となった.薬剤の減量・中止など調整した結果,症状は改善した.症状悪化の原因を検討したところ,腰痛発症以前は自分で服薬管理しており,調子をみながら時々内服していたのだが,奥さんが与薬するようになり,処方された上記薬剤をすべて「指示どおり」内服したためであった.
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